【動画付】90年代のおすすめ映画はコレ!

90年代のおすすめ映画を紹介します。

【動画】『シンドラーのリスト』(1994年日本公開)

スティーブン・スピルバーグ監督が手がけた『シンドラーのリスト』は、第2次世界大戦中のポーランドで自らの工場にユダヤ人労働者を雇い、彼らをホロコーストから守ったドイツ人実業家のオスカー・シンドラーリーアム・ニーソン)の物語を描いています。

 

 シンドラーは戦争を利用してひと儲けすることを目論み、潰れた工場を買い取ってホーロー容器工場を開設。「安価な労働力」としてゲットーのユダヤ人を雇い入れ、また持ち前の社交性でSSの将校に取り入って、自らの事業を拡大させるという物語。

 

 しかしながら、途中から思い通りにいかなくなり、ユダヤ人労働者が危機的な状況となる中、金儲けにしか興味なかったシンドラーの心に変化が生まれます。

 

○レビューまとめ

 

あえてのモノクロ。重苦しく、暗黒の内容にふさわしい。それに、観る者をモノクロの時代にそのまま引っ張り込んでいるかのようだ。

ホロコーストのドキュメンタリーは数々あるけど、こうしてドラマとして事のはじまりから終わり、そしてその先の未来まで網羅しているとなると、もういたたまれない気分になるし、また救われる気もする。人間として直視していられない異常な事態に、真っ向から向かい合った意志に強いものを感じざるをえない。

シンドラーの人物自身、そもそも聖人どころか、山師的なタイプだったこが、このような壮挙を成し遂げられたというところが興味深かった。「地獄の沙汰も・・・」まさにこの諺を使命感をもって駆使した訳で、あの状況下ではあれしかないのだなと納得した。

 

スポットを当てたユダヤ人たちや大勢のエキストラの扱い方、演出はさすがの
スピルバーグだった。

 

この映画はスピルバーグ監督がどうしても撮りたかった作品らしい。
ご存じの方も居るだろうが、スピルバーグ監督はウクライナユダヤ人である。
ユダヤ人として過去にあった迫害の歴史に触れた作品を作ることは使命と感じていたのかもしれない。
1993年の作品でありながら、本編の殆どがモノクロで展開されている。
これはスピルバーグ監督によるリアリティの追求であり、多くの戦争記録映画を模したものだそうだ。
見てほらえば解るが、モノクロにすることによって逆に表現の幅が広がったと感じるシーンが多いし、ノンフィクション作品であるという事の説得力も増しているように感じるのだ。

感動映画ランキングでは必ずと言っていいほど目にする本作。
今更ホロコーストが何なのか触れる必要もあるまい。
言葉では表現できないくらい残酷で絶望的な中において、ユダヤ人にとって一縷の望みとなり、沢山の命を救った実業家「オスカー・シンドラー」の物語である。

 

彼は戦争に乗じて一旗揚げようと、ほぼ裸一貫で故郷を離れポーランドまで来たらしい。
この映画の「シンドラー氏」について、中には「聖人君子のように描かれているが、元々そこまで良い人ではなく結果的に救ったに過ぎない」と異を唱える人も居るようだ。
しかし経緯は何であれ、彼らにとって真っ暗闇の中にポツンと光る希望であった事は間違いなく、それによって多くのユダヤ人が助かったのだ。
大変に時間の長い作品ですが、戦争の悲惨さを伝えるものとして、歴史の中にホロコーストという大変な事件があったという事を伝えるものとして、大変に存在価値がある一本です。

名作の多いスピルバーグ監督ですが、個人的には本作がNo1です。
この作品を撮ってくれたスピルバーグ監督と、偉業を成し遂げたオスカーシンドラー氏に讃辞を送りたい。